感動しない!涙も出ない!茫然自失の裏ホロコースト映画7選!

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後半、ナチ親衛隊の特殊部隊が村を焼き払う様子をアリーナで眺めることができる。その殺戮の様子は容赦なく、異常にリアリスティックで神経にこたえる。観賞要注意の映画だ。

炎628


灰の記憶/The grey zone(2001)

grey zone

アメリカのホロコースト映画だが、ほかのホロコースト映画に比べ、残虐性が頭二つぐらい飛び抜けている。観賞要注意だ。

おそらく、アウシュビッツのユダヤ人雑用班「ゾンダーコマンド」にスポットを当てた最初の映画と思われる。

ドイツ人は、銃殺の際の穴掘り、死体の片付け、汚れ役、雑用など自分がやりたくない仕事を、ユダヤ人や下等人種扱いだったスラブ人にやらせていた。トレブリンカには便所の見張り役として「シャイセ(うんこ)コマンド」というのがいたそうである。(しかし、この仕事はぶっちぎりで楽だったらしい。ドイツ人はユダヤ人の便所など滅多に見回らなかったからである)

舞台は1944年の春~秋頃と思われ、時期的にアウシュビッツではハンガリーのユダヤ人であふれ返っていた。ハンガリー系ユダヤ人のゾンダーコマンドが叛乱を起こすまでを描いた映画である。それだけの話なのだが、アウシュビッツの地獄の世界がかなりリアルに再現されている。とても下品で残酷でむごい映画である。

原作はアウシュビッツの「死の天使」、メンゲレの助手を務めたユダヤ人、ニヒリス医師の手記である。ガス室から生き残った少女を救うために葛藤する、ゾンダーコマンドたちの人間模様も見所だ。

しかし、恐ろしく暗い映画で、精神衛生上の危機をもたらすが、下手に家族愛やヒーロー性を持ち込んで陳腐化するよりずっといいのではないだろうか? というわけでお勧めの映画。

灰の記憶


ホロコースト~アドルフ・ヒトラーの洗礼~/Amen(2002)

Amen

ナチスのホロコースト政策を、世界中の国々はどう見ていたのだろうか?

実はアメリカもソ連もイギリスも、ユダヤ人が大量にかきあつめられて殺されていることをほぼ知っていたとされる。絶滅収容所の存在さえ暗黙知であった。巨大な煙突から四六時中煙が立ち上っているのを、アメリカ空軍は何度も目撃していた。しかし、誰も救おうとはしなかったのである。

カトリックの総本山、ヴァチカンのローマ法皇も同様であった。ヒトラーが何をしているのか知っていた。知っていて、戦後は戦犯の南米や中東への逃亡を手引きしたのである。