【世紀の捏造?】”ホロコースト否認”を科学する【”ガス室はなかった”は本当か】

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第Ⅱアウシュビッツ=ビルケナウで、ガス室に向かって走らされる裸の人びと。命がけの隠し撮りです。

アウシュビッツ以外の絶滅収容所で、最も多くの人が死んだのはトレブリンカで、トレブリンカのガス室は一酸化炭素ガスが使用され、銃殺や人工飢餓によって全部で90万人が死亡したとされています。移動抹殺作戦によって銃殺されたユダヤ人の数は、90~250万人と推計されています。銃殺作戦の個々の事例には疑いの余地がないほどに証拠がたくさん残っています。

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SS特殊部隊による集団銃殺。ユダヤ人全てを処刑するよう命令を受けていた。

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同上。これは映像も残っています。

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これもSS特殊部隊の有名な写真です。

数字にばらつきがあるのは、ナチが「タイルコマンド1005」などの証拠隠滅を専門の仕事とする特殊部隊を活用していたことや、戦争中の混乱や東西冷戦による調査の遅れによって数字が不正確になっている可能性があるからとされています。

しかし、内わけにはばらつきがあるものの、戦後から現在まで、ユダヤ人の犠牲者総数は550~600万人以上で、これはあまり変わっていません。

⑥被害者の証言や主張につじつまが合わない部分がある。

西側にある収容所:比較的自由に調査が出来る。→ガス室発見できず
東側にある収容所:情報が閉ざされがちで、調査が難しい。→「ガス室」あり

という状況に。これが偶然とは思えません。

これも無知が原因です。。よく色々ふっかけてくるものですよね。。

偶然ではもちろんありません。ナチは最初に手に入れた占領地ポーランドのユダヤ人を絶滅させることに力を注ぎました。これはオディロ・グロボクニクSS中将が実行した「ラインハルト作戦」と呼ばれるものです。ポーランドには欧州最大のユダヤ人コミュニティがあり、国民の10%近くがユダヤ人で、そのほとんどは都市部に在住していました。これらを集中的に短期間で殺すために、絶滅収容所がすべてポーランド各地に建設されたことはまったく状況と矛盾しません。「ラインハルト作戦」の結果、ポーランドユダヤ人の90%に当たる300万人が殺されました。これは各絶滅収容所の死亡者数の総計と矛盾していません。ナチはこれを手際よくやってのけたのです。

また、アウシュビッツは特にナチ占領地域のほぼ中心に位置していました。占領地のどこからでもアウシュビッツに移送して殺すことは容易でした。

上記のように、まったく疑問に思うようなところではありません。

⑧焼却炉の能力を考えれば、そんなにたくさん灰にできたはずがない。

これは本当に馬鹿正直な疑問ですね。死体がすべて焼却炉できっちり骨にされたわけではありません。焼却炉の能力は確かに不十分でしたので、その辺に穴を掘ってガソリンぶっかけて焼き殺したり、火炎放射器やナパーム充填剤を使用したりして「野焼き」にされた人々もたくさんいました。これは「サウルの息子」などのような映画作品や、生存者による手記「トレブリンカ叛乱」などの本でも確認できる事実です。しかも「野焼き」中の写真も多数残っています。

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「野焼き中」とのことで超有名な写真です。どう見ても死体を焼却場以外の場所で焼いています。これまで捏造だと言われたら命がけでこの写真を撮った人は報われませんね。。

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トレブリンカの火葬場跡。ただの巨大な穴でした。ソ連軍が来る前にSSによって証拠隠滅のために破壊されましたが、人骨が片付けきれずに残されていました。

焼かれて残った骨は囚人を使って砕いて灰にしました。水辺で灰を乗せて待機するトラックの写真などが連合軍の空軍作戦機による撮影で多数残されています。

⑨「肯定論者」が「否定論者」を相手にしないのが変。言論封殺っぽい。(①に近い主張か)

これは①と同じなんで省略したいところですが、否定論者は既に存在している証拠をあまりに無視し過ぎていると思うのです。言いがかりに近いですし、平然と嘘の証拠や、とっくに否定されている資料を再びもっともらしく持ち出したりします。。これらに反論することを面倒がっていると、↑のように言われるわけですが、実際よく知らない人がそのやり取りを見ていると、否定論者が感情論ばかりになって反論できていない、というように見えるようです。だからこそ、何度使い古された反論でも、また同じことを言わねばならない、と思われるのです(だからこの記事を書いたわけなのですが)。

⑩南京大虐殺や従軍慰安婦問題をねつ造と断言し、ホロコーストもねつ造であると印象付けている。

これは、日本の修正論者に顕著な言説です。ネットでは南京大虐殺や慰安婦問題を捏造と決めつけて異論を全く聞こうとさえしない人で溢れています。これらとホロコースト否定論を同列に並べて「戦勝国による捏造に苦しむ僕たち敗戦国」という図式を露骨に打ち出して共感を集め、さもホロコーストが「南京や慰安婦と同じ」捏造であるとする先入観を植え付けようとしています。

南京とホロコーストはまったく個々の事例ですし、話がややこしくなるんでここでは南京大虐殺については言及しませんが、大衆の「信じたいものしか信じない」「聞きたくないものには耳を塞ぐ」という性質を巧みに利用した案件と思われるのです。


さあ、いかがですか? 上の2ちゃんねる系のリンクも、「マルコポーロ」も海外のネオナチ、修正主義者の大胆な仮説(=トンデモ理論)を焼き直しただけということがわかっていただければよいのですが。特に「ロイヒターレポート」によるところが大きく、ロイヒターの意見はいまや完全に否定されています。

①~⑩まで全て説明したつもりですが、頑迷な修正論者はあくまでどれほど論破されようとも、頑として自説を曲げない傾向にあります。。せめてよく知らないけど・・という人が「ホロコーストなんか本当にあったのぉ?」などと安易に口にしない、ネットに書き込まないことを切に願ってやみません。その言葉で誰かが傷ついているかもしれないことを想像してくださいね。貴方の軽はずみな言動で、日本のことが大嫌いになる外国人がきっといますよ。

あまり難解な専門書を勧めてもとっつきにくいでしょうから、こちらの本をお勧めします。修正主義者の典型的なプロパガンダの手口と、それに対する反論が短くまとめられています。

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